2ntブログ
浜岡ポン太、マフマフが運営する同人サークル「マフポコ」のサイトです。

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「それは、そうかもしれないけど……」
 ミサトは口ごもった。加持の言っていることには納得できる。
「葛城にだって、わかるんじゃないかな? 俺の考えていることが」
 少し考える風に目を細め、ミサトは答える。
「それは……わかるわよ。あんたとは付き合い長いもの。少しくらいはわかるわ、あんたのこと」
 ミサトは拒むように、胸をさすっている加持の手を掴んだ。
「だから、だからこそ……今は離れたいの、あんたから……加持、お願いだから……離して……」
 加持は顔を振る。
「それはできない。ずっと俺を避けていた葛城を、やっとこうして捕まえられたのに」
「お願い……お願いだから、離して……」
 加持は包み込むように、力を込めてミサトを抱き締める。
「逃げないでほしい。俺から逃げ出さないでほしい」
「無理よ。今、加持を受け入れたら……きっと、あの時みたいに……」
 顔を背けるミサトを見て、加持は唇を噛んだ。
「今までさみしい思いをさせてしまったのは、悪いと思っている」
「本当に思ってる? 私、本当にさみしかったのよ……ひとりでも大丈夫、ひとりでも頑張れる……そう思っているうちに、ひとりでいるのが当たり前になったわ。でも……」
 切なく潤んだ目で、ミサトは加持を見つめる。
「思い出すのよ、不意に、突然……それで、すごくさみしくなるの。ひとりでいるのが、ひどくさみしく……どうしようもないくらいにさみしくて、切なくて……」
「俺も同じさ。さみしかった。あの頃のことを思い出して、辛くもなった」
 加持はミサトに額を重ね、真っ直ぐにミサトを見つめる。
「俺は今でも葛城を愛している」
 目を細め、ミサトは言葉を返す。
「勝手ね。そんなこと、軽々しく言って欲しくないわ」
 ミサトの頬に手を添えて、加持は優しく笑む。
「葛城、俺は今、嬉しいんだ」
「嬉しい? どういうことかしら?」
「葛城、今でもさみしくなるって言ってくれたろう、以前を思い出して。それはつまり、俺のことを引きずっているってことだ」
 加持はミサトの耳元でささやく。
「付き合っていた頃のことが、今も辛い記憶だと感じているのなら、それは今も俺のことを想ってくれているということだろう? そうでなかったらあの頃のことは、ただの思い出、昔話、過ぎ去った過去として処理されているはずだ」
 ふぅと溜息をつき、ミサトは加持を睨んだ。
「本当に勝手ね。勝手すぎる解釈だわ」
「確かに俺の勝手な想像だが、間違っているとは思わない」
「なんでそう思うの? その自信、どこから来るのかしら?」
「葛城の顔に答えがでている」
 加持は人差し指で、ミサトの頬を拭った。ミサトは涙を溢れさせ、切なさに満ちた目を潤ませていた。
「葛城、愛してる」
 加持の言葉に、ミサトは目を閉じて俯いた。
「ずるい、ずるいわ! ……ずるいよ、加持」
 加持は優しく、ミサトに唇を重ねる。加持の舌はミサトの中へと入り込み、ミサトの口の中を探る。加持の舌がミサトの舌を探し当てると、ミサトは唇を離した。
「加持、あんた……本当にずるいわね。こうして私を捕まえてしまえば、私があんたを受け入れると確信してたんでしょ? だから強引に私を追いこんで、こんなことして」
「確かにずるいやり方をした、力任せの強引な方法をとった。だが、それだけ俺も必死だったんだ。葛城が徹底的に俺のことを避けるから、強行手段をとるしかなかった」
 ミサトは加持の顔を掴み、唇を奪った。唇が重なったと同時に、ミサトの舌が加持の中に入り込み、二人の舌が触れ合う。
「ん、う」
 二人は舌をうごめかし、絡ませ合う。ゆっくりと、優しく、やわらかく、二人の舌がさわり合う。
 不意に、ミサトは目を開いた。目を閉じたままキスしている加持を見て、ミサトは微笑ましく思った。
 ミサトの目線に気付いたのか、加持も目を開く。こちらを見て笑んでいるミサトを見て、加持は舌を絡めながら声を出す。
「キス中に相手の顔を見て笑うなんて、マナー違反じゃないか?」
「マナー違反? あんたの口から、そんな言葉が出てくるなんて驚きだわ」
 加持の舌の動きが、加速度的に速く、激しくなっていく。つられてミサトも、激しく加持を求める。
「俺のことをはずかしめて、楽しいのか?」
 加持の言葉を聞いて、ミサトはジト目になり、加持の額にデコピンする。額の痛みに、加持の舌がびくんと震えた。
「どの口がそんなこと言うのかしら。あんたでしょ、人をはずかしめるのが得意なのは」
 あからさまに不機嫌な顔になったミサトは、ここぞとばかりに加持を責め立てる。

(つづく)